2016年12月22日木曜日

プロ選手にならなくてもJ1の監督できますか?

(この記事は「北海道コンサドーレ札幌Advent Calendar2016」向けに書いたものです。個性あふれる記事がいくつもあります。ぜひご覧ください)

スポーツの世界には『名選手は名監督にあらず』という有名な言葉(教訓?)があります。この言葉は次のように続けることができるのはないでしょうか。『されど名選手なら監督にはなれる』、そして『選手になれなければ監督になれず』と。

今年、当時J1だった名古屋グランパスの監督に小倉隆史が就任しました。なぜ監督経験はおろかコーチ経験もない彼がいきなり監督に就任できたか。色々な理由はあるにしろ、その中にかつて選手として活躍したことも理由の一つであることは否定できないでしょう。

もちろんプレーする選手の立場からすると選手としての実績がある監督の方が指示や言葉に説得力を感じやすいこともあるでしょう。事実、日本海外問わずかつて名選手だった監督が自身のカリスマ性でチームをまとめている例はいくつもあります(※1)。

何が言いたいのかといいますと、プロの選手としての経験がなければ実績を残すことはもちろんそもそも監督として戦うことも簡単ではないということです。下部リーグならまだしも1部リーグならなおさらです。特に日本人監督は非常に数が少ないです(※2)。

過去にプロ選手としての経験なし(※3)に監督としてJ1に挑んだ日本人監督はわずか3人(※4)。

そのうちの一人がコンサドーレにも縁のある三浦俊也監督です。

三浦監督のJ1での成績は、

2005年 大宮アルディージャ 13位(前年の2004年はJ2 2位でJ1昇格に導く)
2006年 大宮アルディージャ 12位
2008年 コンサドーレ札幌 18位(J2降格)(前年の2007年はJ2優勝をしてJ1昇格に導く)
2009年 ヴィッセル神戸 14位(途中就任)
2010年 ヴィッセル神戸 16位(途中解任)
2011年 ヴァンフォーレ甲府 16位(途中解任)

となっています。

2008年のコンサドーレ以降はなかなかいい結果が出ていませんが、プロ選手の経験がない中「1シーズン通して」かつ「2シーズン以上」J1で指揮をした監督は彼だけです。

そして来年の2017年、また新たに一人の監督がJ1に挑みます。

北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督です。三浦監督は大学卒業後社会人リーグでのプレー経験がありましたが、四方田監督はプレー経験は大学まで。その後はずっと指導者としてキャリアを積んでいます。札幌ユースの監督としておよそ11年間、多くのプロ選手を育て、2012年にはJユースカップ優勝に導いたその実績は名伯楽と呼んでも過言ではないでしょう。

2015年の途中にトップの監督に就任し、今年2016年J2優勝を果たしコンサドーレをJ1昇格へと導きました。プロ選手経験のない日本人監督としては三浦監督に続き2人目の昇格監督になります。

おそらく残念ながらコンサドーレは来季の降格候補筆頭でしょう(現状ではダントツの)。J1に残留できたのはわずか1度。降格するときはいつも最下位。それも残留争いに絡むことなく早々に決まるのが常でした。J2優勝の実力に加え、使える予算が増えたとしても来年は非常に厳しい戦いになることは間違いないでしょう。

僕の好きなサッカーマンガに「GIANT KILLING」があります。そこに出てくるモンテビア山形の佐倉監督もプロ選手としての経験がありません。それでもチームを1部へ昇格させ、1部でもチームを躍進に導いています(物語は終わってないので残留を果たせたかはまだ分かりませんが・・・)。

また僕が海外で好きなチームはエンポリFC(イタリア)です。1部に昇格した2014-2015シーズン、降格最有力との予想されていたチームを魅力的なサッカーで1部残留に導いたのはアマチュアでのプレー経験しかない元銀行員のサッリ監督でした。

そもそもマンガの世界です。日本ではなくイタリアの話です。プロ選手としての経験がないことは共通でも経歴はみんなそれぞれ違います。そうは分かっていますが、J1に挑む四方田監督のコンサドーレがこの2つに少し重なってしまいます。


願わくば残留、願わくば何年後もあのときサポーターとして共に戦えたことを誇れるような2017年になりますように・・・。皆様よいお年を。

おしまい



(以下は注釈です。読んでいて疑問に思った点がもしかしたら解決するかも)


※1 ジュビロ磐田の名波監督、レアルマドリーのジダン監督はおそらくこの手の監督の代表格です。

※2 Jの外国人監督だと、オズワルドオリベイラ(鹿島)やジョアンカルロス(鹿島、名古屋、札幌)、アフシンゴトピ(清水)。ヨーロッパではモウリーニョ(現マンチェスターU監督、過去にチェルシー、レアルマドリー、インテルなど)、ストラマッチョーニ(過去にインテルなど)、アンドレビアスボアス(現上海上港監督、過去にチェルシーなど)等がいます。

※3 Jリーグが設立される前に選手を引退した監督については「日本リーグでのプレー経験」あるいは「Jクラブの前身チームでのプレー経験」をプロ選手経験に類するものと考えました。来季のJ1では清水エスパルスの小林伸二監督がこれに当たります。

※4 三浦俊也以外の2人は加藤寛(神戸で1998、2004の2度)、小倉勉(大宮で2013の1度)です。両者ともに監督解任によるシーズン途中就任でした。


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