昨年似たような記事を書きましたが、今年は大学の同期(かつ観戦サークル所属)で札幌以外のチームのサポ3人に登場してもらいコンサドーレについて座談会形式で好き勝手語ってもらいます。他チームサポに札幌のことをここまで真剣に話すことは普段なかなかないでしょうし、ちょっと変わった目線で札幌のことを見直す手助けになれば幸いです。
ではまず今回の座談会のメンバーを紹介します。
・ふらいくる(以下ふら):今回の聞き手。コンサドーレ札幌サポ。25試合程度はフル観戦(現地10試合)。
・かぶれら(以下かぶ):川崎フロンターレサポ。7試合程度はフル観戦(現地1試合)。実は札幌出身。札幌ゴール裏参戦経験あり。
・ゔぃゔぃ(以下ゔぃ):Vファーレン長崎サポ。6試合程度はフル観戦(現地はなし)。サッポロビールとヴィヴィくんが大好き。
・ふぁじまる(以下ふぁ):ファジアーノ岡山サポ。フル観戦も7試合ほど(現地2試合)。みさっきーが大好き。札幌ゴール裏参戦経験あり。
それでは
(聞き手のふらいくるの発言は斜体にしてあります)
<今季の札幌について>
ふら「開幕前はどの順位くらいまでいくと思ってた?」
かぶ、ゔぃ、ふぁ「プレーオフ圏内」
ふら「まあ結局10位だけどね・・・(笑)」
かぶ「現地で見てたけどアウェイで讃岐に負けたあたりの2〜3週間はチームが崩壊するんじゃないかって勢いだったなあ」
ふら「今季は途中で財前からバルバリッチに監督が代わったよね。戦い方に違いってあったかな?特に岡山は両方の体制と対戦したわけだけど」
かぶ「財前さんは正直何がしたかったかよく分からなかった。雰囲気もしまってない感じがしたな」
ゔぃ「対戦したときもパスはたくさん繋がれたけどバイタル突破された記憶はない。うちの失点はボランチのボールロストからのカウンターだったし」
ふぁ「確かにバイタルのこわさはなかったね」
ふら「バルバリッチに代わってからは?」
ふぁ「雰囲気が変わったことはすごく感じたね。3バックを使い始めてから対戦する側から見て戦いにくいチームになった」
かぶ「バルバリッチの印象はいいな。雰囲気がしまった気がする。局面局面の1vs1なら札幌の選手は相手に勝てるからミラーゲームがおもしろいようにはまったよね」
ゔぃ「負けはしたけど湘南はそれに気づいて前半30分ぐらいですぐ4バックに切り替えたね」
ふら、かぶ「さすがキジェ監督」
ゔぃ「シーズン途中から都倉の縦ポンに味をしめたよね(笑)うちが2回目に対戦したときはまだバルバリッチじゃなくて名塚監督代行だったけどそれにやられた」
ふぁ「岡山としても縦ポンのほうがこわいんだよね。あと財前さんは内村を、バルバリッチは都倉をうまく使っていた印象はあったかな」
ふら「なんで今季は昇格できなかったのかな・・・・?」
ゔぃ「なんだかんだ勝負強さが足りなかったな。例えば絶対に取りこぼせない試合で取りこぼしたりとか。反対に山形なんかはそういう試合が少なかった」
かぶ「山形で言うところの山岸ほど決定的な仕事をできる選手が札幌にはいなかった。あれだけ選手いるのにね。あとは危機感が足りなかった気がする。『上がれたらいいな・・・』とか『今年はいいかな・・・』って雰囲気を選手が漂わせているように見えた試合が何試合かあったかな」
ふぁ「選手層が過剰になった分、選手配置の最適解を見つけることができなかった印象はあったね。特に財前監督時代の4-2-3-1の3のところ。バルバリッチのときはある程度固定できてたけど」
<都倉について>
ふら「今季の都倉の活躍ぶりは川崎サポとしてはどうなの?(都倉は川崎ユース出身)」
かぶ「素直にうれしいけど勝負は2年目だから(笑)すぐ調子乗るしな(笑)」
ふら「昔と比べても変わってない?」
かぶ「変わってないね(笑)プレーだってポーンと上がったボールに競るのは強いけどポストプレーできないとか振り向き様にシュート打ちたがるところなんてまさにザ・都倉」
ゔぃ「今季は『身体は強いけど一発しかない選手』って相手になめられてた印象はあったかな。それが結果に結びついた気もする」
ふら「契約が来年の夏で切れるらしいけどやっぱ札幌出て海外行くのかな?」
かぶ「性格的に海外行きそう。一カ所に腰を落ちつけるタイプではないよね。川崎のユースっ子は上昇志向強いというか目立ちたがり多いから(笑)」
<その他の選手について>
ふら「川崎といえば薗田もいたよね」
かぶ「何でもできる選手だけど本当に豆腐メンタル。がっつり相手を削れないし『プロでするには優しすぎる』って川崎時代はコーチに言われてたらしい。でもいいやつ!面倒見いいし気配りできる!」
ふら「うん、すごくわかる(笑)長崎だと金山がうちに来たよね。足下が上手いって触れ込みだったけど・・・」
ゔぃ「いやいやビルドアップとキックは元々『???』だから(笑)安定したパフォーマンスはできないけど、ビッグセーブを何度も見せてくれるのが金山」
かぶ「声が出せるのが札幌にとっては大きいよね。河合がいないときなんかは貴重な存在
」
ふら「2人に同意(笑)岡山からうちに来た選手はいないけど松原修平(札幌ユース出身)がそっちで頑張っているよね」
ふぁ「今季はファジアーノネクストの正キーパーだったね。トップの選手が引退する(真子選手)し新たに高卒GKを2人穫ったから来季はトップに上がって椎名とセカンドキーパー争いするんじゃないかな」
ふら「トップの正キーパーにはなれそうかな?」
ふぁ「ウッズ(中林)がいるからなあ。反射神経では勝てないけど身体のごつさと競り合いの強さを武器にがんばってほしいよね。あとサポからは愛されてるよ!Twitter見てたら分かるけどあんな性格だし(笑)」
※松原選手のTwitterはこちら
<地方クラブの先輩として>
ふら「岡山も長崎も地方クラブだけど2人には地方クラブの先輩にあたる札幌の存在ってどう見える?」
ゔぃ「一番思うのは人が入っているってことだね」
ふぁ「コンスタントに1万人くらい動員して、4万人動員できるポテンシャルもあるのは素直にすごい」
ゔぃ、ふぁ「地方クラブの先駆者だよねまさに」
ふぁ「自分たちにとってはいずれ超えなくちゃいけない壁。今季は岡山の方が順位は上だけど育成面や昇格実績とか考えたらまだまだ及ばない存在だね」
<サポーターについて>
ふら「札幌のここはすごいと思うところ何かあるかな?」
かぶ、ゔぃ、ふぁ「サポーター!!!」
かぶ「とにかく熱い!あの『何があっても絶対についていく』って感じはすべてのJクラブが見習いたい!」
ふぁ「北海道在住のサポもわざわざ飛行機使ってアウェイ来るのはすごい。それと関東、関西にそれぞれ支部みたいな組織がしっかりあるのもいいよね。身近な拠点って大事」
ゔぃ「長崎だと磐田戦は1万オーバーするけど、富山戦では2〜3000人ってことがよくある。でも札幌だとうちとの試合でも関係なくちゃんと客入ってる!笑 対戦相手じゃなくて自分のチームを見て試合に来る人が多いんだろうなあ」
ふら「みんな褒めるねえ・・・ありがとう(笑)あえて賛否ありそうな話をふると、今季は松本での中指問題があったよね。あとうちは不甲斐ない成績や試合のときは選手とサポが話し合ったり言い合いになったりすることも普通にある。当たり前だと思っていたら、よそではそんなことしないチームも少なくないみたい。その辺はどう見てるのかな?」
ふぁ「松本での中指問題は、今回はたまたま札幌だったけどいつ他のチームで起こってもおかしくなかったと思うよ。来季のJ1でもまた何かありそう。あと松本のようなにここ最近地域リーグから成り上がってきたチームとは話や考え方が噛み合っていない感じはしたね」
かぶ「内情をしっかり知ってるわけじゃないし松本側に問題があったり札幌側にも言い分があるのは分かる。ただああいう問題が表面化すると悪者にされた側がしゃべればしゃべるほど不利になるからね・・・札幌サポにはもう少しこらえてほしかったなあ」
ゔぃ「サポと選手が言い合えるってのはいい関係だとは思うかな。ただ選手だって生活かかってる訳だし基本必死でやってるはず。だから言ったところで・・・って意見も分かるな。まあ自分は言いたい方だけど。九州人は気性が荒いから(笑)」
かぶ「でもそうやって気持ちをこめて選手を叱咤する熱さは憧れる部分はあるかな。ナビスコのアウェイガンバ戦(1-3で敗北)の様子を見てるとね。0-3から1点返しただけで選手たちがイェーイって笑いながらハイタッチしてる。そして試合終わった途端ガンバの選手は疲れでピッチに倒れ込むんだよね。片やうちの選手は惨敗したくせにぴんぴんしてる。それでもうちのゴール裏は拍手で迎えるわけ・・・・さすがにあれはないと思ったわ」
ふら「札幌サポといえばスポンサーへの忠誠心はわりと有名な気がするんだよね。サッポロクラシックは10年以上連続で売上のばすし、最終戦にゴール裏がスポンサーへの感謝の横断幕を出したりとかね」
ゔぃ「この間クラシック買った!冬物語はめっちゃ飲んでる!笑」
ふぁ「白い恋人やビールとか売ってるものが誰でも買えたり利用できるものってところは大きいね。岡山とはそこが大きく違う」
かぶ「このスポンサーに対するサポの姿勢は本当にコンサドーレの華だよね。だからこそあれだけスポンサーを大切にできるのに、松本では・・・って気持ちは正直ある。まあ悪さしたときのスポンサー様へのリカバリーと言えば川崎だけどね(笑)大久保がカルビーの看板蹴ったときの購買運動とか(笑)」
ふら「ちなみに川崎はJ1だからさておき、岡山と長崎はこれだけは札幌に負けねえってところ何かない?」
ゔぃ「ヴィヴィくん」
ふぁ「みさっきー」
ふら「うん、言うと思ってた(笑)」
<引き抜きたい選手>
ふら「札幌から自分のチームに引き抜きたい選手はいる?」
ゔぃ、かぶ「奈良!」
かぶ「うちは弱点がはっきりしてるからね。
ふら「ここ1年間なにかに付けてビルドアップがんばっていますアピールしてたしな」
かぶ「そうそう。あのアピールは明らか就活(笑)」
ふぁ「うちは岩政先生がいるから、奈良よりも10点以上取れる都倉みたいなセンターFWが欲しいな」
ゔぃ「あと金山返せ。今季はGKが全然ダメで『金山ならここでビッグセーブするのに・・・』と何度思ったことか」
ふら「んー杉山やパウロンじゃだめ?」
ゔぃ「いらん(即答)」
<稲本獲得について>
ふら「稲本穫るって話もあるけど今はどんな選手なの?確かもう35歳だよね」
かぶ「足下の技術はさび付いてない。ミドルパスは未だにJ1トップクラス。守備ではあまり動かないけど要所はおさえて飛び込むところは飛び込める選手だね」
ふら「スタミナがないって話を聞いたけどどれくらい持つのかな?」
かぶ「ボランチで使うとすると後半10〜15分が限界かな。あと敏捷性とダッシュ力が致命的にないよ。興梠には裏抜けでもフリックでもズタズタにされてた」
ふら「使うならどこのポジションがいいかな?」
かぶ「CBの真ん中だね。ボランチは昨季の真希(山本)みたいなよく走れる相棒がいれば活躍できると思う」
ふら「どうも来季の札幌は3-5-2で1ボランチらしいけど・・・」
かぶ「ああ、絶対無理(笑)ホーム最終戦1ボランチで使ったら広島に後半だけでシュート12本くらい打たれた。うちは2本(笑)」
ふら「大宮や福岡もとろうとしててお金の面では札幌はかなり不利。正直きてくれるかな?」
かぶ「うーん分からないなあ。ただもし入ってくれたら若手には相当プラスだね。憲剛も大久保もいる中でうちの若手が真っ先に稲本を尊敬してる選手に挙げるから。『控えでも絶対練習で手を抜かないし、あの人こそプロ中のプロ』だってさ。あ、川崎から来たからってファンサは期待するなよ。シャイだから(笑)」
<来季について>
ふら「稲本はまだ不明だけど、岐阜のナザリトの獲得は決まったね」
ゔぃ「ナザリトがハマるかどうかに来季はかかっているよね。まさに昇格のキーマン。ハマれば今季の都倉みたいに縦ポンで得点量産しそう」
ふぁ「今季対戦したときも本当に強かったなあ。ただ2トップで都倉と組むって話だけど合うのかな?空中戦弱いチームからすれば2人の並びは地獄だろうけど。内村と組んだほうがこわそうな気がする」
ふら「ナザリトのところで少し話に出たけどずばり昇格のキーマンは?」
ふぁ「若手からもっと絶対的な存在が出てきてほしいよね。中原なんて上手いのは見てたらよく分かるからこそもっとこわい存在になれるはず。今ならただ上手いだけの選手」
かぶ「やっぱ河合かな。チームを上に持っていける選手ってああいう存在だよね。あとプレイヤーとしてもっと輝いてほしいのは荒野。ウイングバックでは使わないで欲しいな。小学校のときからうまいこと知ってるからこそ、バイタルに近い場所でやらせてもらえないのが本当にもったいなく感じるよね」
ふら「3人ともありがとう。今度は札幌だけじゃなく他のチームについてもあれこれ語ってみたいね」
※注意:3人には「ヨイショはいらない。好きに語ってほしい」とお願いしてあります。また、これはあくまでそれぞれのサポ個人の私見です。そのチームのサポの総意ではありません。ずっと見守り続けているコンササポからすると的外れな発言、失礼な発言があるかもしれませんがご了承ください。
いかがだったでしょうか。納得いくところ、解せぬところ、もっと突っ込んで聞いて欲しかったところ、色々あったかと思います。聞き手の質問下手、編集下手でうまく話を引き出せなかったことはとても申し訳ないです。
ただよく考えてみると他のチームについてこれだけ真剣に考えて語ってくれる人が周囲にどれだけいることか。普段付き合う中で彼らのチーム愛はひしひしと感じていますが、それ以上にサッカー愛をすごく感じた座談会でした。サッカーが好きじゃなければこんな企画にそもそも協力してもらえませんよね。3人には本当に感謝しています。ありがとうございました。
おしまい